概説

概説

人間は社会の中で共同生活を営んでいる。人は、社会を離れ、孤立して生活することはできない。しかし、人はそれぞれ異なる世界観、価値観や利益を有している。そのための、社会生活において、様々な意見対立や利害の衝突が起こり、紛争が 生ずることは避けられない。このような紛争のうち、私人間の生活関係上起こる紛争を私的紛争という。
私的紛争を解決する方法としてまず考えられるのは、自力救済(私人が司法手続によらずに自己の権利を実現すること)である。事実、歴史的にも、自力救済による私的紛争が広く認められていた時期があった(古代ローマ等)。しかし、自力救済 を広く認めると、力の強い者が弱者を蹂躙することになりかねず、力こそがすべての野蛮な社会になってしまい、社会の平和を保てない。そこで、自力救済は原則として禁止されるようになった。その代り、国家機関が紛争当事者双方の主張を聞いて その是非を判断し、国家が法に則り紛争を解決する手続(民事手続)が整備されるようになった。
だいちゃんがニックネームの岡崎市の司法書士。趣味は、散歩、読書、カラオケ。
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紛争処理

民事手続の中核となるのは、判決手続である。これは、国家機関である裁判所が紛争の対象となる権利を確定し、判決を下すことで紛争を解決する手続である。判決手続によりなされた判断内容には裁判所・当事者が拘束され(強制的)、なおかつ、確定判決によって示された判断に対しては、原則として再び争う ことができない(終局的)。このように、判決手続は強制的かつ終局的なものであるから、紛争処理方法としては極めて有効である。その反面、判決手続は、厳格な手続のもとで運営されており、時間や費用などの点でコストが高くなる場合がある。 これに対して、当事者の合意による紛争処理方法としては、当事者間の直接交渉による裁判外の和解(示談)や第三者機関が関与する調停などがある。当事者の合意による紛争処理方法は、民事訴訟に比べてコストが安くすむ場合が多い。また、裁判所の関与する調停や仲裁には 確定判決と同一の効力が認められている。その反面、当事者の合意がなければ機能しない。

民事保全と民事執行

判決手続によって紛争の対象対象である権利を確定するにあたって、訴えの提起から判決までにはある程度の時間がかかるのが通常であり、その間、紛争の対象である権利を保全しておく必要がでてくる。たとえば、被告である債務者が財産を使い果たしたり、 隠したりした場合には、原告である債権者が裁判に勝っても、実際は債権を回収できないことになりかねない。そこで、将来の権利実現への備えとして、あるいは判決までの緊急措置として、仮差押え・仮処分という民事保全手続きが用意されている。 また、判決手続によって裁判所の判断がでたとしても、敗訴した当事者がその判断に任意に従うとは限らない。 そこで、判決内容を強制的に実現するための制度が用意された。その手続が民事執行手続きである。